災害により被災した要援護障害者等への対応について

事務連絡
令和6年1月1日

各 都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市 障害児支援主管部(局) 御中

こども家庭庁支援局障害児支援課

災害により被災した要援護障害者等への対応について

令和6年能登半島地震による災害により、一部の地域において、災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用されました。
ついては、下記内容についてご了知の上、都道府県におかれては、管内市区町村(指定都市、中核市及び児童相談所設置市を除く。)に対して周知を行うことなど、特段の御配慮をお願いいたします。

1.災害により被災した世帯の障害児などの要援護障害者等への対応について
災害により被災した世帯の要援護障害者等(障害児を含む。)への対応については、別添1から別添3までの事務連絡の内容について改めて御了知ください。

別添1:「災害により被災した要援護障害者等への対応について」(令和3年6月16日付け厚生労働省社会・援護局障害福祉部企画課他事務連絡)
(参考)お示ししている主な内容
・状況・実態の把握と対応について
・障害者支援施設等における要援護障害者等及び避難者の受入れ
・障害福祉サービス等(施設入所支援等を除く。)の利用者に係る取扱い
・被災された障害者等に対する補装具費支給及び日常生活用具給付等事業の弾力的な運用について
・被災された視聴覚障害者等に対する情報・意思疎通支援について
・利用者負担の減免について

別添2:「災害により被災した視聴覚障害等への避難所等における情報・コミュニケーション支援について」(平成28年10月24日付け厚生労働省社会・援護局障害福祉部企画課自立支援振興室事務連絡)

別添3:「避難所等で生活する障害児者への配慮事項等について」(令和3年6月16日付け厚生労働省社会・援護局障害福祉部企画課自立支援振興室他事務連絡)

2.災害により被災した要援護者への対応及びこれに伴う特例措置等について
児童福祉法(昭和22年法律第164号)における児童福祉施設等での受入れ対応及び費用負担に係る特例措置等については、別添4の事務連絡の内容について改めて御了知ください。

別添4:「災害により被災した要援護者への対応及びこれに伴う特例措置等について」
(平成30年6月18日付け厚生労働省こども家庭局家庭福祉課他事務連絡)
(参考)お示ししている主な内容
・児童福祉施設等での受入れ
・在宅福祉サービス等の実施
・費用負担に係る特例措置等
・保護施設における対応

3.児童福祉施設等の人員基準等の取り扱いについて
児童福祉施設等の人員基準等の取り扱いについては、下記のとおりとしますので、都道府県、指定都市、中核市及び児童相談所設置市におかれては、児童福祉施設、関係団体等への周知を図るようお願いいたします。

別添4の取り扱いに伴い、多数の要援護者を受け入れることにより、職員の不足をきたしている施設等については、他施設等からの職員の応援派遣について調整をお願いしているところ、これにより、派遣元の施設等において、被災地に職員を派遣したことで職員が一時的に不足し、人員等の基準を満たすことができなくなるなどの場合が考えられるが、人員、設備等の基準の適用については、柔軟に取り扱って差し支えないこと。

4.災害に伴う障害児への相談支援の実施等について
災害救助法の適用を受けた市区町村が管内に所在する都道府県及び当該市区町村における障害児の状況把握やケアマネジメント等の支援を行う相談支援事業の取扱
いについて、下記のとおりとしますので、関係事業者等への周知を図るとともに、障害児の適切な支援にご尽力いただきますようお願いいたします。

【障害児の安否確認と適切な支援の実施について】
被災地等においては、交通・通信事情が十分に確保されていない状況下であるが、災害救助法が適用された市区町村が障害児についての安否確認を行うとともに、相談支援事業者等と連携しつつ、課題の把握(アセスメント)を行い、必要なサービス提供につなげることが重要であり、とりわけ、施設や自宅等から避難し、避難所等で生活する障害児や被災地域で生活を続けている障害児については、相談支援事業者と障害児支援事業者、医療機関等が連携して適切なサービス提供につながるよう配慮すること。

【障害児相談支援事業の活用について】
避難所等で生活する障害児への相談支援の実施に当たっては、障害児相談支援事業を活用しつつ、必要となる障害児支援、インフォーマルサービス等、具体的な支援措置につなげること。

①障害児支援利用援助及び継続障害児支援利用援助について
避難所等における障害児が障害児支援を利用する場合に係る障害児支援利用援助や継続障害児支援利用援助については、障害児相談支援給付費の支給対象となること。

②運営基準等の柔軟な取扱い
・障害児相談支援の事業の基準(児童福祉法第24条の28)については、今般の災害に係る被災状況に鑑み、被災地の避難者の受入れを行っている事業者が形式的に基準等を満たさないことをもって、指導等を行うことのないよう柔軟に取り扱うこと。
・例えば、児童福祉法に基づく指定障害児相談支援の事業の人員及び運営に関する基準第15条第3項に定める障害児支援利用計画の実施状況の把握(モニタリング)について、道路・鉄道等の交通の寸断、ガソリン不足等による移動手段の確保が困難な場合は、電話等により本人又は家族へ確認したことを記録することをもって行うことを可能とするとともに、同条第2項第10号に定めるサービス担当者会議についても、各サービス担当者への電話や文書等の照会により行って差し支えないこと。
・機能強化型障害児支援利用援助費及び機能強化型継続障害児支援利用援助費並びに主任相談支援専門員配置加算等の加算について、やむを得ず一時的に要件を満たさなかった場合においても、引き続き算定することが可能であること。

【利用者が遠隔地等へ避難する場合の円滑なサービス提供について】
利用者が遠隔地等へ避難する場合においては、被災地と避難先の相談支援事業者や障害児支援事業者等が利用者の情報を共有するなど、円滑に引き継がれるように配慮すること。

【照会先】こども家庭庁支援局障害児支援課
1.及び4.について 企画法令係
TEL:03-6861-0062
E-mail:shougaishien.hourei@cfa.go.jp

2.及び3.について 障害児支援係 TEL:03-6861-0063
E-mail:shougaishien.shougaijishien@cfa.go.jp


別添 1

事務連絡
令和3年6月16日

各 都道府県・市区町村 障害保健福祉主管部(局)御中

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
企画課障害福祉課精神・障害保健課

災害により被災した要援護障害者等への対応について

標記について、災害により被災した世帯の要援護障害者等(障害児を含む。以下同じ。)については、適切に御対応いただいているところですが、下記内容について改めて御了知いただくとともに、災害の発生等により貴管内の市区町村が災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた場合等にあっては、同内容について管内市区町村に対して周知を行う等、特段の配慮をお願いします。

1.状況・実態の把握と対応について
災害により被災した、または災害が発生する恐れがあることで災害救助法の適用を受けた市区町村においては、避難所での避難生活が必要となった要援護障害者等、避難所に避難していない要援護障害者等に対して、その状況や実態の把握に努めていただくとともに、避難対策及び障害福祉サービス等の円滑な提供について、柔軟な対応をお願いします。

2.障害者支援施設等における要援護障害者等及び避難者の受入れ

(1)障害者支援施設等においては、空きスペースの活用を図るとともに、日常のサービス提供に著しい支障が生じない範囲で、定員を超過して要援護障害者等を受け入れて差し支えありません。

また、障害者支援施設等については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第172号)等により災害等による定員超過が認められているところですが、その際の介護給付費等については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わないこととしており、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費等の対象とします。
なお、障害者支援施設等において、一般の避難者を受け入れる場合も、できる限り要援護障害者等の処遇に支障が生ずることのないよう御留意下さい。

(2)なお、避難先施設は、職員配置、設備等について、できる限り避難者及び避難先施設の入所者の支援に支障を来さないよう御留意下さい。
特に、やむを得ない事情により避難が長期化する場合、又は避難先施設が被災施設と種別が異なっており、かつ、指定基準を満たすことができない場合は、避難者及び避難先施設の入所者への適切な支援の確保を図るという観点から、避難者本人の意向等を勘案し、被災施設と同種別の他施設への再避難や地域生活への移行等を進めるよう配慮をお願いします。

3.障害福祉サービス等(施設入所支援等を除く。)の利用者に係る取扱い

(1)居宅介護及び重度訪問介護等については、避難所等の避難先を居宅とみなしてサービス提供して差し支えありません。
また、屋外の移動が困難な障害者に対する移動支援についても同様に避難所を居宅とみなすなど、被災地における地域生活支援事業の実施に当たっては、当該市区町村の判断で柔軟なサービス提供をお願いします。

(2)生活介護等日中活動サービス又は宿泊型自立訓練若しくは共同生活援助については、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)等により災害等による定員超過が認められているところですが、その際の介護給付費等については、利用定員を超過した場合でも、特例的に所要単位数の減算は行わ

ないこととしており、この場合において、職員の配置基準にかかわらず所定の介護給付費等の対象とします。
また、利用者の利便性を考慮し、開所日・開所時間については、柔軟な対応をお願いします。

(3)被災時に短期入所を利用していた者に係る取扱いについては、避難が必要となった者の避難先及び利用定員を超過した場合の受入れなど、前記2の入所施設の取扱いと同様として差し支えありません。
なお、計画していた利用期間の終了に伴い、居宅に戻ることが原則ですが、戻るべき居宅も被災しており、引き続き入所をする必要がある場合には、障害者支援施設等による受入れを基本とし、必要に応じて引き続き短期入所の利用も可能とします。

4.被災された障害者等に対する補装具費支給及び日常生活用具給付等事業の弾力的な運用について

避難所等に避難している障害者等の中には、補装具や日常生活用具が必要となる方も生じると考えられますので、必要な場合には耐用年数等の如何にかかわらず支給・給付して差し支えありません。

5.被災された視聴覚障害者等に対する情報・意思疎通支援について

被災された視覚障害者や聴覚障害者等に対しては、特に情報・意思疎通支援が何より重要となります。管内被災市区町村における避難状況等を踏まえ、点字や音声、文字等による災害情報等の提供、手話通訳者等の派遣などの情報・意思疎通支援について、視聴覚障害者情報提供施設等と連携し、万全の対応を期すようお願いします。

6.利用者負担の減免について

(1)被災のため障害福祉サービス、障害児通所支援、障害児入所支援に必要な利用者負担をすることが困難な者については、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第31条又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)第21条の5の11若しくは同
法第24条の5に基づき、市区町村又は都道府県の判断により、介護給付費等の支給割合を引き上げ、利用者負担を減免することができます。

(2)自立支援医療については、平成18年3月31日付け障害保健福祉部長通知(障発0331006号)に基づき、被災した世帯所得勘案対象者の所得状況に応じた所得区分を適用することなど、適宜の方法により世帯所得勘案対象者の負担を軽減することができます。

(3)補装具費については、平成19年3月27日付け障害保健福祉部長通知(障発第0327004号)に基づき、被災した補装具費支給対象障害者等又はその属する世帯の生計を主として維持する者の所得状況の変化等に応じて補装具費の支給対象とすることや負担上限月額を適用することなど、適宜の方法により補装具費支給対象障害者等の負担を軽減することができます。

(4)肢体不自由児通所医療又は障害児入所医療については、平成19年4月4日付け障害保健福祉部長通知(障発0404002号)に基づき、被災した給付決定保護者又はその属する世帯の生計を主として維持する者の所得状況等に応じて、適宜の方法により給付決定保護者の負担を軽減することができます。

(5)療養介護医療については、平成19年4月4日付け障害保健福祉部長通知(障発0404003号)に基づき、被災した療養介護医療費支給対象障害者の所得状況等に応じて、適宜の方法により療養介護医療費支給対象障害者の負担を軽減することができます。

7.その他本件に関する疑義照会等については、担当課室まで御連絡をお願いします。


別添 2

事務連絡
平成28年10月24日

各都道府県障害保健福祉主管部(局)御中

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
企画課自立支援振興室

災害により被災した視聴覚障害等への避難所等における情報・コミュニケーション支援について

被災した視聴覚障害者等については、その障害特性から情報取得や他者とのコミュニケーションが特に困難な状況となることから、ボランティア等による支援やホワイトボード等の機材を使用した有効な支援の必要性が高くなります。
つきましては、避難所等における視聴覚障害者等に対する情報・コミュニケーション支援について、具体的な方法や配慮等の例を別添のとおり情報提供致しますので、避難所等への周知等をお願い致します。
なお、避難所の設置期間の長期化が見込まれる場合には、特に視聴覚障害者等の状況・ニーズの把握に努めるとともに、ボランティアや関係団体等と連携を密にし、特段の御配慮をお願い致します。


別添 3

事務連絡
令和3年6月16日


各 都道府県・市区町村 障害保健福祉主管部(局)御中

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
企画課自立支援振興室障害福祉課
精神・障害保健課

避難所等で生活する障害児者への配慮事項等について

標記について、災害発生等により避難所等で生活する障害児者とそのご家族への支援に当たっては、適切にご対応いただいているところですが、別添の避難所等における障害特性等に応じた配慮について改めてご了知いただくとともに、都道府県においては、管内の市区町村が災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた場合等にあっては、同内容について管内市区町村や障害福祉関係機関等に対して周知を行う等、特段の配慮をお願いします。


別添4

事務連絡
平成30年6月18日


各 都道府県・指定都市・中核市・児童相談所設置市 民生主管部局 御中

厚生労働省
子ども家庭局家庭福祉課社会・援護局保護課社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課

災害により被災した要援護者への対応及びこれに伴う特例措置等について

標記について、災害により被災した要援護者への対応及びこれに伴う特例措置等については、以下のとおりとなりますので、対応に万全を期すようお願いするとともに、災害の発生により貴管内の市区町村が災害救助法(昭和22年法律第118号)の適用を受けた場合等にあっては、同内容について管内市区町村に対して周知を行う等、特段の配慮をお願いします。

1 児童福祉施設等での受入れ

(1)広域的調整体制の構築
避難所等に避難している要援護者の中には、障害児、乳幼児等で福祉サービス等を利用する必要がある者がおり、今後、これらの者を把握し、受入れ先を調整した上で施設入所等の福祉サービス等を提供することが必要となる。
このためには、
ア 避難所等に避難している障害児や乳幼児等について、福祉サービス等が必要な者及びその需要を把握すること
イ アで把握した福祉サービス等の提供が必要な者に対して、被災地等における福祉サービス事業者等において福祉サービス等をどの程度提供できるか把握すること
ウ さらにイにより対応できない場合には、被災地市町村と被災地周辺市町村との連携により、福祉サービス等の広域的な利用調整が行えるよう体制を整えること
等が必要である。
また、被災地周辺における入所施設の状況によっては、施設の種別を超えて利用することが適当な場合も考えられる。
ついては、「ア」の状況を把握するとともに、施設入所について幅広く「ウ」の調整を行うことができる広域的調整体制の構築に努められたい。

(2)入所対象者について
アサービスの提供は、受け入れる施設において、既存スペースの活用を図るとともに、日常のサービス提供に著しい支障がない範囲で、定員を超過して受け入れて差し支えない。
イ受入れ先の施設の種別は、施設入所者を受け入れる場合については、本来、措置等を行うべき施設種別への調整を行うことが望ましいものであるが、地理的な事情等により、緊急避難として種別の異なる施設での受入れを行っても差し支えない。
また、病弱者の場合には、入院等必要な医療の確保に配慮すること。
ウ多数の要援護者を受け入れることにより、職員の不足をきたしている施設については、広域的調整体制の下で、他施設からの職員の応援派遣について調整などをお願いしたい。

2 在宅福祉サービス等の実施
避難所で生活している要援護者の中には、個々のケースに応じて在宅福祉サービス等の提供が必要な場合もあるので、適宜対応できるよう配慮すること。

3 費用負担に係る特例措置等

(1)児童福祉施設等での受入れア 入所対象者について
(ア)措置施設等の入所者が他の措置施設等へ避難した場合の措置費支弁
措置等は継続されているものとして、措置費は避難元施設の単価で避難元施設へ支弁し、避難元施設から避難先施設に対し、受入数に応じた必要額を支払う。
(イ)措置施設等において、避難所又は在宅の者を受け入れた場合の措置費支弁
① 定員内での受入れ
当該受け入れ施設の通常の措置費支弁と同様に支弁。
② 定員超過での受入れ
定員超過した員数に、当該受入れ施設の措置費単価を乗じて支弁。
③受入れが月の途中の場合には、事務費、事業費とも「措置費単価」を「その月の日数」で除した額に「その月の入所日以降の日数」を乗じた額(1円未満切捨)を支弁。
④種別の異なる施設での受入れの場合に、当該入所者にとって必要な経費が支弁費目にないことが生じるが、このようなケースについては、別途、必要経費を支弁して差し支えない。
(ウ)1(2)ウについて、受入れ施設が職員派遣元施設に支払うべき派遣経費については、受入れ施設に対し、措置費の特別基準により支弁することとする。
(エ)費用徴収における減免措置については、現行の規定に基づき、個々に判断して行うものとする。

[現行規定の要約]
前年に比して収入の減少、不時のやむを得ない支出の発生等により負担能力に著しい変動が生じ、費用負担が困難であると認められる場合は、階層区分の変更を行っても差し支えない。

(2)(1)により費用負担に係る特例措置等を行った場合は、厚生労働大臣の承認が得られたものとして取り扱う。
なお、これにより難い場合には、個別協議により対応するものとする。

4 保護施設における対応
保護施設においても、必要があれば、要援護者を受け入れることが可能であり、その場合の費用負担については、3によるものとする。

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