特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援者の付添いの受入れについて

事務連絡
令和5年11月20日

各 都道府県・保健所設置市・特別区 衛生主管部局 御中
各 都道府県・指定都市・中核市 障害保健福祉主管部局 御中

厚生労働省医政局地域医療計画課
厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課

特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援者の付添いの受入れについて

特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援等について、院内感染対策に十分留意しつつ、積極的に検討することを医療機関に促していただくよう、「特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院時における支援者の付添いの受入れについて」(令和4年11月9日付け厚生労働省医政局地域医療計画課、新型コロナウイルス感染症対策推進本部、社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課連名事務連絡)等においてお願いしてきたところです。

今般、特別なコミュニケーション支援が必要な障害児者の入院に際して支援者の付添いの受入れを実際に行った医療機関にヒアリングを行い、医療機関や医療従事者への周知等に活用するための資料(別添1)を取りまとめました。

コミュニケーションに特別な支援が必要な障害児者の入院にあたっては、その支援者が医療従事者と意思疎通する上で極めて重要な役割を担っています。このため、院内感染対策に配慮しつつ、支援者の付添いの受入れが進むよう、衛生主管部局におかれては公立医療機関をはじめとする管内の医療機関、障害保健福祉主管部局におかれては管内の市町村及び障害福祉サービス事業所等に対し、別添の資料を含め本事務連絡の内容について周知いただけますようお願いします。

1コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する患者の入院時における支援について

  • 保険医療機関における看護は当該保険医療機関の看護要員によって行われることとされているが、「特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について」(平成28年6月28日付け保医発0628第2号厚生労働省保険局医療課長通知)により、看護に当たり、コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する患者の入院において、入院前から支援を行っている等、当該患者へのコミュニケーション支援に熟知している支援者が、当該患者の負担により、その入院中に付き添うことは可能となっている。
  • 上記のコミュニケーション支援において、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づく、障害福祉サービスの一つである「重度訪問介護」を利用している最重度の障害者は、医療機関に入院中も引き続き重度訪問介護を利用して、本人の状態を熟知した重度訪問介護従業者(ヘルパー)が付き添うことにより、病院等の職員と意思疎通を図る上で必要なコミュニケーション支援を受けることが可能となっている。

(参考資料)
・特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について
(平成28年6月28日付け保医発0628第2号厚生労働省保険局医療課長通知)【別添2】

2  具体的な対応について

(1)都道府県や市町村における対応

都道府県や市町村においては、別添1の資料により、必要に応じ、特別なコミュニケーション支援を必要とする重度障害者が入院中に重度訪問介護を利用できるように、医療機関や重度訪問介護事業所等との調整にご協力いただきたい。

(2)医療機関における対応

医療機関においては、別添1の資料を医療機関内の医師や看護師、社会福祉士等に対し周知いただくとともに、特別なコミュニケーション支援を必要とする障害児者が入院する際の支援者の付添いについて、院内感染対策に留意しつつ受入れをご検討いただきたい。

(3)重度訪問介護事業所における対応

重度訪問介護事業所は、医療機関に入院する利用者に対して重度訪問介護を提供するに当たり、医療機関や相談支援事業所等との連携の下でコミュニケーション支援を行うことが必要であることから、医療機関における院内感染対策も含め、関係機関・関係者と十分な調整・連携を図りながら支援を行っていただきたい。



別添2

保医発0628第2号
平成28年6月28日

地方厚生(支)局医療課長都道府県  殿
民生主管部(局)国民健康保険主管課(部)長  殿
都道府県後期高齢者医療主管部(局) 後期高齢者医療主管課(部)長  殿

厚生労働省保険局医療課長

特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について

保険医療機関における看護は、当該保険医療機関の看護要員によって行われるものであり、患者の負担による付添看護が行われてはならないものであるが(「基本診療料等の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成28年3月4日付け保医発0304第1号厚生労働省保険局医療課長通知))、看護にあたり特別なコミュニケーション技術が必要な重度のALS患者の入院においては、当該重度のALS患者の負担により、コミュニケーションに熟知している支援者が付き添うことは差し支えないとしてきたところである。

今般、聴覚、言語機能、音声機能、視覚等の障害のため、看護にあたり特別なコミュニケーション技術が必要な障害者の入院におけるコミュニケーションの支援について、下記のとおりとしたので、その取扱いに遺漏のないよう貴管下の保険医療機関、審査支払機関等に対し周知徹底を図られたい。

なお、本通知の施行に伴い、「重度のALS患者の入院におけるコミュニケーションに係る支援について」(平成23年7月1日付け保医発0701第1号厚生労働省保険局医療課長通知)は廃止する。

1.看護に当たり、コミュニケーションに特別な技術が必要な障害を有する患者の入院において、入院前から支援を行っている等、当該患者へのコミュニケーション支援に熟知している支援者(以下「支援者」という。)が、当該患者の負担により、その入院中に付き添うことは差し支えない。

2.1による支援は、保険医療機関の職員が、当該入院中の患者とのコミュニケーションの技術を習得するまでの間において行われるものであること。

3.1により支援が行われる場合においては、支援者は当該患者のコミュニケーション支援のみを行うものであること。また、コミュニケーション支援の一環として、例えば、適切な体位交換の方法を看護職員に伝えるため、支援者が看護職員と一緒に直接支援を行うことも想定されるが、支援者の直接支援が常態化することなどにより、当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならないこと。

4.保険医療機関と支援者は、1による支援が行われる場合に、当該入院に係る治療や療養生活の方針に沿った支援が実施できるよう、当該入院に係る治療や療養生活の方針等の情報を共有するなどして互いに十分に連携すること。

5.保険医療機関は、1により支援が行われる場合であっても、保険医療機関及び保険医療養担当規則(昭和32年厚生省令第15号)第11条の2に基づき適切に、当該保険医療機関の看護要員により看護を行うものであり、支援者の付添いを入院の要件としたり、支援者に当該保険医療機関の看護の代替となるような行為を求めてはならないこと。

6.保険医療機関は、1により支援を行う場合には、別添の確認書により、患者又はその家族及び支援者に対し、当該支援者が行う支援について確認を行い、当該確認書を保存しておくこと。

以上

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